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東北大学物理学専攻・
物理学科について

ご挨拶

科学とは、様々な現象について、その原因の客観的な説明を得ようという試みです。また、原因を知ることにより、その現象を応用することでもあります。その中で物理学は、特に前者を追及する、それも常識に囚われずに、できるだけ根源的な原因を追究することに重きを置いた学問だと思います。その上で、物理学者は宇宙・地球・生物・物性・原子・原子核・素粒子など多岐にわたる対象を相手にしています。宇宙、地球・生物・物性・原子・原子核の研究では、科学の多くの分野と同じく、その原因を説明する時、確立された基本法則を土台に説明しようとします。そして多くの応用につながります。一方、宇宙の始まりの研究や素粒子の研究では、既存の基本法則では説明できない現象を説明する、新しい物理法則を探そうとします。

様々な現象、身の周りの世界の仕組みを理解しようとするこの物理学者の考え方は、周りの分野に大きな影響を与えてきました。例えば、最近では、人工ニューラルネットワークを用いた機械学習の開発者にノーベル物理学賞が与えられましたね。現在の機械学習の進展は、目を見張るものがあり、まさにノーベル賞に相応しい発見・発明ですが、なぜ、物理学賞なのでしょう?それは、この発見・発明が物理学的な考え方、つまり人間の「学習」現象は根源的にはどのように説明されるであろうという問いから始まったからではないかと思います。研究手法が「物理的」だったのです。

大学の研究室では、教員は、自分が「面白い」と興味をもった現象を夢中で研究しています。学生の皆さんが、その一員になってくれたら、教員はみなとても嬉しく思うでしょう。一方で、学生の皆さんが物理学科、物理学専攻で学ぶことによって、そういう一員として物理を楽しむ以外にも、大きな副産物があります。昨今、日本で博士人材をもっと増やし、活かすべき、という議論があります。ここで求められている博士人材は、専門知識をもった人材ということではなく、課題の原因を常識に囚われずに追求し解決法を見出していく人材です。そのような人材は、博士課程に進学せずに企業の中で経験を積むことで育つことも多いでしょう。ただし、余裕のなくなっている今の日本の企業の中で、本当にそういう経験を積める場所は限られてもいるのではないかとも思います。修士課程、博士課程では学生は、全力を尽くしてそういう経験を積むことになります。その中でも、物理学は、このようなトレーニングをするには、最良の場所ではないかと思います。

東北大学物理学専攻・物理学科は恵まれた自然環境としのぎやすい気候を持つ仙台市にキャンパスがあります。博士課程に進学している学生の8割以上が給付型の奨学金を得て研究に専念しています。このように、東北大学は学生の皆さんが伸び伸びとした環境でじっくり物理の実力を養うのに最も適した場所です。皆さんと共に、新しい物理を切り開くのを、そして皆さんの成長を楽しみにしています。

理学研究科物理学専攻長・
理学部物理学科長(2025年度)市川 温子

学びの環境

東北大学物理学専攻・物理学科は仙台市中心部から西に数キロ程の青葉山キャンパスの講座を中心に、片平キャンパス、三神峯キャンパスの講座、更には東北大学以外の研究機関における講座が研究、教育に携わっています。青葉山キャンパスの周辺には豊かな自然があり、緑に囲まれて静かで落ち着いた環境になっております。
また、近くには著名な史跡である仙台城跡があり、身近に仙台の歴史に触れることができます。
2015年12月には地下鉄東西線が開通し、仙台市内からのアクセス環境にも恵まれています。

理学研究科合同A・B・C棟 外観

青葉山キャンパス

大学院物理専攻の五基幹講座(量子基礎物理学講座(素核理論)、素粒子・核物理学講座(素核実験)、固体統計物理学講座(物性理論)、電子物理学講座(物性実験)、量子物性物理学講座(実験))の主な研究室は青葉山キャンパスにあります。主な講義は物理系講義棟や理学研究科合同棟で行われます。

物理系研究棟
物理系講義棟
物理・化学合同棟

⻘葉⼭キャンパスには高輝度放射光施設(NanoTerasu)があります。

NanoTerasu(ナノテラス)

高エネルギー物理学講座(ニュートリノ科学研究センター)と核放射線物理学講座(先端量子ビーム科学研究センター)も協力講座として本専攻の教育・研究に参加しています。

ニュートリノ科学研究センター
先端量子ビーム科学研究センター(青葉山)

北青葉山憩い公園や合同棟ロビーでは様々なイベントが開催されます。

北青葉山憩い公園
合同棟ロビー

キャンパスギャラリー

ナレッジ・コリドー
学習スペース
中央広場
コンビニエンスストア
青葉山新キャンパス
合同棟屋上から仙台市街の眺め

片平キャンパス・三神峯キャンパス

片平キャンパスの結晶物理学講座(金属材料研究所)、金属物理学講座(金属材料研究所)、分光物理学講座(多元物質科学研究所)、ならびに三神峯キャンパスの原子核理学講座(先端量子ビーム科学研究センター (三神峯))も、物理専攻の協力講座として研究と教育に参加しています。

金属材料研究所
材料科学高等研究所
多元物質科学研究所
先端量子ビーム科学研究センター (三神峯)

歴史・沿革

年代 内容
1907
東北帝国大学・東北帝国大学理科大学正門(東北大学史料館所蔵)

東北帝国大学の分科大学(理科大学)として創立される

1911

仙台中心部の片平地区で数学科、化学科とともに開講する

1922
アインシュタインと物理学科教授陣
(東北大学史料館所蔵)

アインシュタイン来校

1937
N.ボーア講演風景
(東北大学史料館所蔵)

ボーア来校

1953

大学院の理学研究科が設置されたのに伴い、物理学専攻が設置される

1957

原子核理学専攻が設置される

1968

物理学第二専攻が設置される

1969
物理系研究棟(奥)と物理系講義棟(手前)

片平地区から青葉山地区への移転整備がスタ-ト(1979年に完成)

1994

大学院への重点化により3専攻が物理学専攻へ改組・統合される

2002
理学研究棟A棟、B棟

新棟(理学総合棟)移転整備がスタート(2003 年に完成)

2003

21世紀COEプログラム(物理学分野)で拠点形成開始

2004

国立大学法人東北大学に移行

2008

グローバルCOEプログラム(物理学分野)が開始される

2009
物理系研究棟(旧物理A棟)

物理系研究棟(旧物理A棟)棟改修(2010年3月に終了)

2014
物理系講義棟(旧物理B棟)

物理系講義棟(旧物理B棟)ならびに物理・科学合同棟(旧物理C棟)改修

2015
理学研究科合同C棟

理学研究科合同C棟完成

2024

東北大学が日本初の「国際卓越研究大学」に認定・認可される

案内配布物

物理学専攻に所属する研究グループの研究内容を紹介したパンフレットです。
大学院を受験する方に向けて書かれていますが、高校生・一般の方もどうぞ。