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磁性体の対称性・トポロジーを活用し新機能を創成する

スピン機能物質科学グループ

磁性体は電子がもつ磁気モーメントがある規則で整列した物質です。すべての磁気モーメントが同じ方向にそろったものは強磁性体つまり磁石でよく知られていますが、多くの磁性体はより多彩な秩序状態を形成します。例えば図1 に示すのはスキルミオン格子と呼ばれるトポロジカル磁気超構造です[1]。このような状態では、電子の動力学がトポロジカル効果に影響され、巨大なホール効果などが観測されます。また、逆に電流が磁気超構造に影響を与える場合もあります。例えば、図2に示すように、磁気モーメントがらせんを描くように整列するらせん磁気構造においては、電流と磁場を平行もしくは反平行に印加すると平行・反平行に依存してらせんの巻き方がスイッチされることが明らかになりました[2]。スピン機能物質科学研究室では、このように磁性体の対称性・トポロジーを活用して、新しい現象・機能を開拓することを目指しています。

Fig1_J

Fig. 1 スキルミオン格子
Fig2

Fig. 2 電流・磁場によるらせん磁性の巻き方制御

参考文献

  • [1] X. Z. Yu, Y. Onose et al., Nature 465, 901 (2010).
  • [2] N. Jiang, Y. Nii, H. Arisawa, E. Saitoh, Y. Onose, Nature Communications 11, 1601 (2020).
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