トピックス バックナンバー
-
2021.12.24
固液界面ダイナミクスの制御による高品質結晶の創成
>世の中で利用されている結晶材料の多くは液相からの結晶成長によって作製されています。結晶欠陥の少ない高品質な結晶材料を実現するためには、結晶成長の過程において固液界面でどのような現象が起こっているのかを明らかにするとともに、各現象のメカニズムを解明する必要があります。 -
2021.11.8
磁性体の対称性・トポロジーを活用し新機能を創成する
磁性体は電子がもつ磁気モーメントがある規則で整列した物質です。すべての磁気モーメントが同じ方向にそろったものは強磁性体つまり磁石でよく知られていますが、多くの磁性体はより多彩な秩序状態を形成します。スピン機能物質科学研究室では、磁性体の対称性・トポロジーを活用して、新しい現象・機能を開拓することを目指しています。 -
2021.9.8
量子多体系の実験研究から探る量子宇宙
現代社会の毎日の生活を支えている半導体産業は超高品質な結晶作成技術やデバイス技術など多くのハイテク技術で成り立っています。私たちはこのようなナノテクに裏打ちされた超高純度半導体デバイスや新奇材料を舞台とすることで、試料に存在する電子やホール、励起子、核スピンといった粒子や準粒子が量子力学によって織りなす物理を研究しています。 -
2021.6.29
未来を拓く量子物質の超高速フォトニクス
超高速分光グループ 皆さんのスマートフォンにも使われている高速通信や情報処理の技術は、身近な生活からエネルギーや環境問題の解決に至るまで社会を支える基盤です。その未来を担うのは光通信や光コンピュータなどの光技術です。旧約・・・ -
2021.4.1
光を用いた新奇な量子物性機能の開拓
光物性物理グループ 今回は光物性物理グループの研究内容を紹介します。 光は電磁波の一種であり、物質中の電子やイオンなどと相互作用を行うことにより、反射や屈折、吸収や発光などの光学現象を引き起こします。このような光と物質の・・・ -
2020.9.8
生命システム誕生の謎に迫る
私たち生命は、原始地球上で単純な両親媒性分子や高分子などのいわゆるソフトマターと呼ばれる物質群が相互に連携しながら秩序化することにより誕生したと考えられています。その結果生まれた生命システムは、「個体の領域を膜で囲むことで確保し(細胞)、外部から膜の内側に取り込んだ原料から自らを構成する物質群を合成し(代謝)、それらを使って自らを再生産し(自己生産)、そして再生産された子システムも親システムと同様に再び自己生産する性質を備える(遺伝)」という物質科学から見ると非常に特異な性質を持っています。もちろん、その生命システムを支配するのは物理法則ですが、生命システムをソフトマターの持つ性質を使って構築することは未踏の研究領域です。 -
2020.7.1
放射光を利用した強相関電子系の研究
光速に近い速度で運動する電子から発生する「放射光」はX線から赤外線まで広いエネルギー領域における光源として優れた特徴を持っており、基礎科学から産業応用まで多様な分野で利用されています。特に物質科学研究では必要不可欠な光源とおり、多様な固体分光研究が行われています。強相関電子物理講座では、国内の放射光施設において各教員が特色ある先端的な物質科学研究を展開しています。 -
2020.6.1
薄膜・界面における物性物理 -合成と制御-
超高真空中での薄膜合成技術は、現代エレクトロニクスを支える半導体素子、磁気素子や量子素子の作製に欠かせない技術です。当グループでは、分子線エピタキシー法、スパッタリング法、パルスレーザー堆積法などを駆使して、厚さ数nm~数百nmの薄膜や積層界面を自ら作って、トポロジカル物性、磁性、超伝導などの面白い物理現象を探索しながら、機能素子の開発にも取り組んでいます。 -
2020.5.1
優柔不断なパイ電子集団の振る舞い
分子が集積して構成される有機物質は、一般的には電気を流さない絶縁体として知られています。また、プラスティックのように「やわらかい」ことも特徴でしょう。このような電気的絶縁性や機械的な柔軟性のミクロな起源にさかのぼると有機物質の特徴的な電子状態が関わっていることがわかります。また、有機物質の中には、電気伝導性の高いもの、磁性を有するものなど無機化合物同様に電子的機能性を有する物質群もあります。このような導電性を持つ有機物質は、近年、有機発光デバイス、有機トランジスターなどの軽量で「曲がる」エレクトロニクス材料としても注目されています。私たちは、このような有機物質の基礎的電子物性の解明を目指しています。特に、ナノサイズの分子の集積からミリサイズのバルク材料に至る構造的な階層性の中に現れる「優柔不断なパイ電子」の集団的な振る舞いに着目しています。今回は、ガラスの様に振る舞うパイ電子の研究について紹介します。 -
2020.4.9
2次元超伝導体の本質に迫る
超伝導は低温で起こる典型的な量子現象です。多くの超伝導現象は3次元的もしくは準2次元的な電子系で起こりますが、長距離秩序が抑制される2次元の極限において超伝導体が本来示すべき性質は長らく議論された問題の一つでした。我々は、最近、清浄な結晶表面上に誘起した高結晶性2次元超伝導体が、新奇な量子状態を示すことを突き止めました。