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研究分野の紹介

物性実験I

トポロジカル物質創成

教員
  • 教授/酒井 英明
研究について

トポロジカル物質創成グループは2025年10月に発足しました。新しいスタッフとともに一から研究を築き上げる経験ができるフレッシュな研究室です。

トポロジーの概念はもともと数学に由来しますが、近年は物性物理学においても重要な役割を果たしています。固体中で電子の波動関数が、相対論的な効果や強い相互作用によって「ねじれた」形をとると、メビウスの輪のような非自明なトポロジーを持つことがあります。このようなトポロジカル物質では、ディラック粒子やマヨラナ粒子と同じ運動方程式に従う電子状態が現れ、外乱に強く安定した伝導や応答を示すため、エレクトロニクスや量子技術への応用が期待されています。

本グループでは、合金から酸化物に至る幅広いトポロジカル物質を対象に、溶融法、気相法、高圧法など多彩な合成手法を使って新物質や高品質結晶を創り出し、その未知の物性や機能を探索します。また、強磁場・低温・高圧といった極限環境や、イオンビームによる微細加工を駆使した先端的測定も自ら行い、合成と測定の両輪で新しいトポロジー物性物理を解明することを目指します。最近のテーマとしては、

  • ディラック電子を内包する複雑量子物質の開拓
  • 奇パリティ磁性体の新奇非線形効果の解明
  • トポロジカル高温超伝導体の開拓

などを進めています。

化学と物理の境界をまたぐ幅広い研究を経験できることは、本グループの大きな特徴です。このため、国内外の研究機関や大型施設を訪問し、共同研究に参加する機会も多数あります。多様な研究環境に触れることで、視野が大きく広がり、自分の興味やスキルを深化・拡張することができます。

図1:新奇トポロジカル量子物質の設計と創成
図2:通常は清浄な半導体ヘテロ界面でしか現れない量子ホール効果が、本グループが開発したディラック電子系磁性体では、無加工のバルク結晶で観測される。