専攻長から

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理学研究科物理学専攻長・理学部物理学科長(2016年度)   
落合 明    

 自然界は非常に広範囲のスケールを持っています。10-18mより小さいサブアトミック階層である素粒子から始まり、10-15m領域の原子核、10-10mより大きな領域の原子や分子、10-5m程度の大きさの細胞が集まり1m程度の生物に達します。さらに惑星(~10+7m)、惑星系(10+13m)、銀河系(10+21m)と宇宙のスケールと続きますが、これら10±30の広範囲にわたる自然現象のうち、小さな方の約半分の領域を自然科学の一分野としての物理学は対象としています。
 物理学の一つの目標は、これらの多様な自然現象をなるべく少ない基本原理から統一的・系統的に理解することです。物質のより基本的な成り立ちを求めて、分子、原子、原子核、素粒子と自然の階層構造をたどり、物質のミクロな形態を究極までつきつめてきました。そうして到着したミクロの極限である素粒子の世界の理解は、一方でマクロの極限である宇宙の始まりの状態の理解にもつながっています。
 一方、基本的な相互作用は知られているとはいえ、非常に多数の構成要素(物質)が凝縮した集団系は、想像を超えた性質を発現する事も知られています。物性物理に代表されるように、これらの物質の多様性の解明と、新たな物質の創成も、物理学のもう一つの目標です。
 これらの多種多様な現象の研究に対応できるように、東北大学 物理学教室・物理学専攻は、協力講座を含め約160名の世界の第一線で活躍する教員を擁し、素粒子・宇宙理論、原子核理論、物性理論、素粒子実験、原子核実験、物性実験、生物物理等の広い研究分野をカバーする国内外でも最大級の物理学研究組織になっています。
 研究、特に実験分野の研究では、他よりも優れた観測(実験)装置を開発、製作する為に企業との共同作業が欠かせません。
 いうまでもなく、物理学のさらなる発展のためには新たな発想を持った学生の参加が必要不可欠です。基礎知識をそなえ、好奇心と想像力を持った学生の皆さんの参加を待っています。

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