専攻長から

Iwai

理学研究科物理学専攻長・理学部物理学科長(2018年度)    
岩井 伸一郎     

 物理学は、自然界で起きている様々な出来事の中から、その背後に潜む基本的な法則や原理を発見し、それらの法則や原理に基づいて、新しい現象を説明、予測する学問です。これまでに物理学は、ビッグバンに始まる宇宙の進化と構造や、世界を構成している基本要素である素粒子・原子核、物質の構造と電子状態など様々な自然現象に関する多くの謎を解き明かしてきました。その過程では、ニュートリノやヒッグス粒子、重力波など宇宙の成り立ちに関わる発見とともに、レーザー、高温超伝導、カーボンナノチューブなど今ではよく知られた技術の礎が築かれました。これらのイノベーションは、先人が基本法則や原理に遡って考え続けた結果です。物理学はこの100年の間、エレクトロニクス、ナノテクノロジー、フォトニクスなどの分野において数多くの新展開を生み出してきました。深刻な環境問題やエネルギー問題を抱えている現代において、次の100年を切り拓くために、こうした基本法則や原理に遡った物理学のアプローチはますます重要になっていくと期待されています。
 物理学の目標は、固体、分子、原子、原子核、素粒子とそこからつながる宇宙の始まりなど多様な自然現象をなるべく少ない基本原理から統一的・系統的に理解することですが、そのためには、専門性の枠にとらわれることなく、自由闊達に考えをぶつけ合う環境が不可欠です。東北大学 物理学教室・物理学専攻は、協力講座を含め約160名の世界の第一線で活躍する教員を擁し、素粒子・宇宙理論、原子核理論、物性理論、素粒子実験、原子核実験、物性実験、生物物理等の広い研究分野をカバーする国内外でも最大級の物理学研究組織になっています。その中で、物理学のさらなる発展のためには新たな発想を持った研究者を生み出していくことが最も重要と私たちは考えています。好奇心と想像力を持ち、社会への貢献に向けた強い意欲を持った学生の皆さんの参加を心よりお待ちしています。

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