物性実験II

表面構造物性

教員

教授/虻川 匡司
助教/小川 修一

研究について

摩擦、親水性、撥水性、錆び、接着、吸着、電池電極、固体触媒など、身の回りの多くのものに表面の物性が関わっていますが、原子レベルでの理解は進んでいません。表面物性研究の究極の目標は、表面に関連するミクロ、マクロな現象を原子レベルから体系立てて理解することです。
 原子の配列が突然途切れる表面は、結晶内部(バルク)とは異なる対称性を有し、一様な固体内部では実現しないような組成や特異な構造が実現することが知られています。そのため表面・界面には特有の物性や新たな機能が期待できるのです。私たちは、様々な機能を持った表面・界面の創製を目指して、表面・界面を原子レベルで理解するために以下のような研究を行っています。

新しい表面構造解析法の開発
 表面の構造を原子レベルで理解するために、表面構造を3 次元的に可視化できる構造解析法の開発を行っています。 開発したワイゼンベルグ反射高速電子回折法(WRHEED)では、3 次元的な表面構造を再生するために必要な大量のデータを、わずか数10 分で測定できます(図1)。

図1. SEMとWRHEEDを組み合わせたナノWRHEEDによる多結晶Niグレインの3次元逆格子計測

機能を持った表面の創成と理解
 電子エミッターや極限環境下で動作する半導体として有望なダイヤモンドの表面、優れた特性が期待されているグラフェン、h-BN、MoS2などの2次元原子層物質などの電子状態や構造を調べて、様々なデバイスへの応用を目指しています。

表面ナノドメインの理解
 不均一な物質表面をナノレベルで計測するために光電子顕微鏡法(PEEM)と走査電子顕微鏡法(SEM)を使用しています。PEEMでは、ナノドメインで起こる化学反応プロセスの観測が可能であり、電子回折法と組み合わせたSEM ではナノ領域の構造解析を行います。

表面上の原子の動きを捉える
 触媒反応ダイナミクスや構造相転移ダイナミクスを研究するために、ストリークカメラ電子回折法という表面原子の高速な動きを捉える新しい手法を開発しました。サブナノ秒から数ミリ秒という幅広い時間領域で、表面上の原子の動きを捉えることができます(図2)。

図2. PEEMによるグラフェン成長ダイナミクス観察、
ストリークカメラ電子回折法による構造ダイナミクス研究
ページの先頭へ