物性実験II
電子線ナノ物理
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/terauchi/index-j.html
教員
教授/寺内 正己 HP | ||||
准教授/佐藤 庸平 HP | ||||
助教/松本 高利 |
研究について

アモルファス窒化カーボンa-CNxの電子状態
量子サイズ効果、軌道整列効果などが支配する量子ドット、ナノチューブ、GMRナノクリスタルなどの物性解明には、従来のマクロスケールの物性解析手法ではなくナノメーター(1 nm = 10-9 m)スケールでの物性解析手法が必要不可欠です。これは電子ナノビームを用いることによって可能となります。
電子ナノビームを使うと
- 物質を100万倍以上に拡大して原子を直接視ることができます。
- 回折パターンから、物質のシンメトリーをはじめとする逆空間の情報が得られます。
- エネルギー分析によって数 meV ~ 1000 eV という広いエネルギー領域にわたる物質の素励起 (フェルミ準位近傍から内殻準位の電子励起まで) を調べることができます。
このような実空間、逆空間、エネルギー空間に関する情報が得られる電子ナノビームをプローブとして使うと、物性物理の興味ある多くの問題を解明することができます。

本研究室では、興味ある物質の局所構造・局所電子状態を明らかにするため,
- 収束電子回折(CBED)法による結晶構造の空間群決定・電荷密度分布の解析,
- 電子エネルギー損失分光(EELS)法による光学物性の解明・伝導帯状態密度分布の解明,
- 軟X線発光分光(SXES)法による価電子帯状態密度分布の解明,
を行っています。
これらの測定手法の精度向上のための装置・解析手法の開発と、その物性物理学への応用を行い、多くの成果を上げてきました。
現在、次のようなテーマについて研究を行っています。
- クラスタ物質やナノネットワーク物質 (ナノチューブ, フラレン, ボロン化合物など) の構造・電子状態
- 近赤外光散乱ナノ微粒子の光学物性
- 遷移金属化合物における擬ギャップと結合状態変化の相関
- 強相関電子系物質 (マルチフェロイック物質など)の構造・電子状態
- 構造相転移 (強誘電体など)と静電ポテンシャル分布
詳しくは研究室のweb pageを見て下さい。
(http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/terauchi/)