物性実験II

固体イオン物理

教員

教授/河村 純一
准教授/桑田 直明
助教/高橋 純一 助教/Arun Kumar Dorai

研究について

薄膜リチウム電池の材料研究

 結晶やアモルファス固体中を水素・リチウム・銀などのイオンが高速で通り抜ける奇妙な現象を超イオン導電性と呼ぶ。この現象を利用して、環境ガスセンサーやリチウム二次電池等が開発されている。また、将来の水素エネルギー時代に向けて、水素燃料電池、水素・酸素製造装置などの研究も進んでいる。この研究分野は固体イオニクスと呼ばれ、21 世紀の先端科学を担う重要な学問分野となりつつある。本研究室では、固体の中でイオンがどのように動くのかを、レーザー分光・核磁気共鳴などの物理的手段を用いて解明し、さらに薄膜電池や燃料電池などへの応用を目指した研究も進めている。

1) 全固体薄膜リチウムイオン二次電池の材料開発と物性
リチウム電池の安全性向上とマイクロデバイス用微小電源への応用を目指し、全固体薄膜リチウムイオン電池の材料開発と基礎物性研究を行っている.物質としては、LiCoO2などのインターカレーション化合物やLi3PO4などのリチウムイオン伝導体をパルスレーザー蒸着法で薄膜化し、その電気的・光学的物性および電池特性を研究している.

2) 超短パルス(フェムト秒)レーザーを用いたイオンダイナミクスの研究
超短パルス(フェムト秒)レーザーを用いた非線型分光計測法の開発研究と、それを用いた固体や液体中のイオンダイナミクスの物性研究を行っている。現在、超イオン導電体のβアルミナにおけるコヒーレント・フォノンとイオン拡散やイオン配置の不規則性との関係を調べている。

3) 核磁気共鳴法による固体内イオン移動の研究
原子核の持つ核スピンをラベルとして用い、固体内でのイオンの移動を核磁気共鳴(NMR)法により計測する。特に、NMRホールバーニングや多次元NMRを用いたイオン移動速度の決定や、強力なパルス磁場勾配を用いたマイクロイメージングと拡散係数測定法の開発を行っている。最近は、この方法で燃料電池用高分子膜中のプロトン拡散を研究している。

4) 過冷却液体・ガラス・ナノ複合体おけるイオン伝導機構の解明
液体の動的ゆらぎの凍結とガラスの不均一構造形成、そのイオンダイナミクスへの影響などを、交流電気伝導度、核磁気共鳴、光散乱などを用いて研究し、高イオン伝導体を得る指針を探っている.

リチウムイオン電池の核磁気共鳴イメージング実験
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