松原正和准教授らの研究成果がNature Photonics誌に掲載され、東北大学からプレスリリースされました。

 

夢の多機能電子素材マルチフェロイック物質を光で制御する新手法を発見
-次世代メモリデバイス等への応用時の、新制御方法として期待-

 東北大学大学院理学研究科の松原正和准教授、大阪大学大学院基礎工学研究科の木村剛教授らは、新たな多機能電子素材として期待される「マルチフェロイック物質」において、機能創出の鍵を握る「らせん電子スピン配列」を、光により直接かつ可逆的に制御することに世界で初めて成功しました。

 近年、物質中で電気と磁気の性質を兼ね備えたマルチフェロイック物質が、物質科学における基礎・応用の両面から注目を集めています。これらにおいては、画期的な機能を持った電気磁気デバイスや、新しい原理の光エレクトロニクス機能など、従来の科学技術ではなし得なかった新機能の創出が期待されています。そして、このような画期的な機能創出の鍵を握るのが、らせん型の電子スピン配列です。

 今回、松原准教授らは、マルチフェロイック物質に現れるらせん電子スピン配列を、光により直接制御することに世界で初めて成功しました。また、波長の異なる光を照射することで、鏡像関係にある2種類のらせんスピン配列を可逆的にスイッチングできることを発見しました。これらの成果は、次世代のデバイス材料として期待されるマルチフェロイック物質の新しい制御手法を提供するだけでなく、将来における光科学・磁気科学・物質科学の融合的発展に新たな道を拓くものです。

 本研究成果は、2016年8月15日(英国時間)発行の英国科学雑誌「Nature Photonics(ネイチャー・フォトニクス)」に掲載されました。

リンク
プレスリリース (東北大学Webサイト)

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