石原純夫教授らのグループの研究成果が東北大学からプレスリリースされました

 

常識を覆し、光で電気の流れを止める
-10兆分の1秒の高速光スイッチングデバイスに道-

要点

  • これまで困難とされていた光による金属から絶縁体への変化を実現
  • 梯子構造を有する銅酸化物超伝導体の特異な電気の流れを利用
  • 1ピコ秒以内で絶縁体⇄金属の双方向光スイッチ動作に成功

概要
東京工業大学大学院理工学研究科の深谷亮産学官連携研究員(現高エネルギー加速器研究機構特任助教)、沖本洋一准教授、腰原伸也教授、同応用セラミックス研究所の笹川崇男准教授、東北大学大学院理学研究科の石原純夫教授らの研究グループは、銅酸化物超伝導体中の電気の流れをレーザー光でオフ・オンする方法を発見した。
光を使って金属的物質(導体)を絶縁体にする(電気の流れを止める)ことは困難とされていたが、梯子(はしご)構造を有する材料の特異なホールペアの動きを利用して、光励起による電気の流れのオフ・オンを初めて実現した(「隠れた絶縁体状態」と呼ばれる)。
さらに光パルス列を対象試料に照射することで、室温を含む広い温度域で1ピコ(1 ピコは1 兆分の1)秒以内に絶縁体⇄金属の変化を双方向で切り替えることにも成功した。これにより、室温かつ10 兆分の1 秒以下で超高速動作する次世代光スイッチングデバイス開発へ道を拓くことが期待される。
研究成果は10 月20 日発行の英国科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」オンライン版に掲載される。

リンク
プレスリリース (東北大学Webサイト)

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